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2020.6.12

From VIS

テレワーク(在宅勤務)導入のメリット・デメリットと対応策を解説

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため、2、3月頃からIT系企業を中心に在宅勤務を取り入れる企業が増加し、4月7日緊急事態宣言発令後には首都圏を中心に多くの会社で急速にテレワーク(在宅勤務)の活用が進みました。

緊急事態宣言が解除され、今後もテレワークを続けるべきか、オフィスに出社するべきか、その頻度はどうするべきか、経営者の方は頭を悩ませているのではないでしょうか。
「テレワークを導入してみたものの、上手く運用できていない」「まだテレワークは実施できていないが、今後は検討が必要だと考えている」という方も多いのではないかと思います。

今回は、テレワークのメリットやデメリット、実際にヴィスで実践して感じたことや当社での取り組みについて、社内で実施したアンケート結果を軸に紹介します。

【テレワークとは】

まず、テレワークとはどのようなものでしょうか。
一般社団法人日本テレワーク協会によると、「テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
※「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語」と定義づけています。

「在宅勤務」や「リモートワーク」、シェアオフィスやサテライトオフィスでの勤務も「テレワーク」に含まれます。

新型コロナウイルスの感染拡大前はテレワークを実施していた企業は19.1%(「令和元年版 情報通信白書」/総務省より)だったのに対し、緊急事態宣言発令後、4/12-13の調査では全国で27%、東京都では52%まで大きく伸びた(「新型コロナ対策のための全国調査」/厚生労働省、株式会社LINEより)との結果が出ています。

ヴィスでは、緊急事態宣言発令後には、急遽東京・大阪・名古屋の全オフィス全メンバーを対象にテレワーク(在宅勤務)での業務を導入することになりました。

【テレワーク実施アンケートの結果】

テレワークの実施状況や働き方に関して調査をするため、テレワーク導入開始から1か月が経ったタイミングで社内アンケートを実施しました。
※実施期間:2020年4月27日(月)~2020年4月30日(木)、総回答数:180名

回答率は社員の約90%、回答者の属性は下記の通りです。実際の社員分布とほぼ同様です。

 

テレワークのメリット

「テレワークを実施して良かったこと」を全て選んでもらいました。
「プライベートとのバランス(100名)」、「健康(88名)」、「家庭環境(65名)」で多数の回答があります。

具体例を問う自由回答設問では、下記の回答が多く集まりました。

・通勤時間が無くなった分、別のことに時間を使うことができた(41名)
・家族との時間を作ることができた(19名)
・無駄な会話や電話対応が無くなり、業務に集中できた。(11名)

最も多かったのは、通勤時間が無くなった分、時間を有効活用(育児や趣味、自己啓発など)できたという声でした。ヴィスメンバーのほとんどが通勤時間に30分以上かけています。

1時間以上の人も3割を超えており、生活の中で通勤時間が大きな割合を占めていることがわかります。そのため、これまで時間的な制約から取り組めなかったことに時間を活用できたようです。

また、通勤時間の削減と集中して業務に取り組める環境が整ったことから、仕事へのモチベーション部分でもポジティブな影響を感じたメンバーが多かったと想定されます。

テレワークのデメリット

続いて、「テレワークを実施して困ったこと」を選んでもらいました。
「家具環境(101名)」という回答が最も多く、続けて「健康(71名)」、「社内コミュニケーション(60名)」と答えるメンバーが多くいました。

具体例を問う自由回答設問では、下記の回答が多く集まりました。

・業務に適した家具がなく、健康面に問題があった(35名)
・自宅のインターネット環境に問題があり、通話が途切れたり、うまくプレゼンテーションができなかった(14名)
・雑談ベースでのコミュニケーションが難しくなり、簡単な相談ごとでも解決に時間がかかった(8名)

最も多かった「業務に適した家具がない」という回答は、オフィスづくりをお手伝いするヴィスだからこそ、その影響を敏感に感じ取ったようです。自宅の家具での業務で腰痛や肩こりに悩むメンバーも多く見受けられました。

家具以外の設備面では、インターネット環境の問題も多くのメンバーが不便を感じていました。テザリングでの対応など、人によっては本来のパフォーマンスを発揮できない場面もあったようです。

相談ごとの解決に時間がかかったという声も見られました。チャットやテレビ電話はいつでも使用できる環境ではあったものの、オフィスで目の前にいる人に話しかけるのに比べると「わざわざ感」が出てしまう、チャットを送っても相手が会議中等で返信が来ないという状況があったようです。

テレワークの生産性と今後の働き方

テレワーク期間中の生産性を問う設問では、「非常に上がった」「上がった」「変わらない」が90%を占め、オフィスにいる時と同様、またはそれ以上のパフォーマンスが発揮できたと捉えられます。

同時期に実施したお客様や協力会社様に回答いただいたアンケートで、生産性が「下がった」という回答が約45%を占めていたのとは対照的です。

さらに、新型コロナウイルスが収束した後の働き方に関しては、「テレワークを可能な限り取り入れたい」「テレワークを週1-2日程度取り入れたい」という回答が約70%となりました。

なぜ急なテレワークで、これまでテレワークの経験がないメンバーがほとんどだったにもかかわらず、生産性が下がったと感じる人がほとんどおらず、テレワークを今後も取り入れたいという意見が集まったのでしょうか。詳細は次の項で解説します。

【ヴィスの取り組み】

ヴィスで実施してテレワークに効果のあったと考えられるツールや取り組みをご紹介します。

(1) Microsoft 365 (旧Office365)・Surface(サーフェス)の導入

ヴィスではMicrosoft 365を2019年4月に全社で導入しており、資料等はクラウドでの保管、社内での連絡は「Teams」のチャットを活用しています。
同時期にPM(プロジェクトマネージャー)を対象にノートPCをタッチペンで画面に書き込みができるタブレットPC「Surface(サーフェス)」に変更しました。

今回のテレワークでは、この2点が特に効果がありました。

「Teams」はチャット、テレビ電話、通話ができるツールです。社内でのコミュニケーションは、個人、チームやプロジェクトごとにチャットで実施、チャットからそのままテレビ電話・音声通話をつなぐことができるので、オンラインでの会議や会話も容易です。

このツールがあることで、仮想のオフィスをつくってチームごとで集まり、オンラインでの会話が簡単にできました。

タブレットPC「Surface」は、タッチペンを使って画面上のファイルに直接書き込みができます。Surface導入前は、例えばオフィスで図面を紙で印刷、修正箇所や注意事項を書き込んだ後、再度複合機でPDF化し、プロジェクトメンバーやお客様に共有する、という流れで業務に取り組んでいました。

この導入で業務の効率化・紙の使用量減少ができ、今回、在宅で紙の出力が難しい状況下でも、タッチペンを使うことで上手く共有ごとを進めることができました。

他にも、画面に直接書き込むことで資料の共有やオンライン会議中の説明等もスムーズにすることができています。

(2) 朝礼をオンラインでつなぐ

ヴィスでは毎朝、業務開始時に各オフィスでクレド(ヴィス社員の約束)の唱和を行っています。

テレワークや時差出勤をするメンバーが増え一時中止しましたが、ヴィスのカルチャーとして続けてきた取り組みをリモート下でも行おうということから、Teamsのテレビ会議を繋げて実施しました。

東京オフィスでは100人を超えるメンバーが参加するため音声はミュートにしていますが、メンバーからは、「朝イチの唱和で仕事のスイッチを入れることができた」「離れていても会社としての一体感を感じることができた」と声が上がりました。

(3)チームでテレビ会議をつなぐ

テレワーク開始とともに、若手メンバーを中心にちょっとした相談ごとをするのが難しくなったという声が出ました。

そこで、各チームの上長が日中テレビ会議をつないだままにしたり、チームごとにつないだまま業務をしたりする施策を実施しました。何か相談ごとがあれば、オンライン会議に参加してコミュニケーションを取れるという仕組みです。

気軽にコミュニケーションを取れる環境を作ることで、「テレワーク(在宅勤務)中に電話をするほどでもない相談事や確認事がやりやすくなった」「オフィスで働いている時よりもチーム内でのコミュニケーションが増えた」という意見も出ました。

テレワークを継続?オフィスに出社?今後のオフィスの在り方について考える

社内アンケートを振り返って興味深かったことが、75%のメンバーが少なくとも週の大半はオフィスで働きたいと考えている点です。

テレワークでも生産性はオフィスにいる時と変わらず、コミュニケーションもツールを併用すれば大きな問題はなく、家事や育児などプライベートの時間もこれまでより多く確保できるようになったにもかかわらず、です。

ここにこれからのオフィスの在り方を考えるキーがあると考えています。今後オフィスはどうなっていき、どんなオフィスが求められていくのでしょうか。

それはまた次の機会にご紹介させていただきます。